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ヒトヤ堂をつくっていた5月の頃(10・完)

ヒトヤ堂、ハーフビルドの様子を気まぐれに更新中。

 

細かい装飾作業を仕上げていきます。

こちらはラウンジスペースの腰板のタイル。

古い洋館をイメージしていたので、絶対にやりたい要素の一つでした。

前職の時にいただいた、廃材のタイルを使って

ストライプに仕上げていきます。

内部が終われば、外部も。

この窓が決め手で、物件を選んだと言っても過言ではない、

ヒトヤ堂のトレードマークとも言えるガラス窓。

4辺にカットがかかっているガラスで、

おそらく今は生産されていない、貴重なものです。

茜さん時代から使ってきただけあり、

痛んでるところもちらほら。

長く使うためにも、

コーキングを打ちなおし、色も塗り替えました。

そしていよいよ、

お店の顔となる「看板」を制作していきます。

こちらが、もともと営業していた

珈琲舎・茜さんの時の看板。

よく見るとわかるのですが、

外壁に直接、木枠をまわして文字を取り付けた

かなりダイナミックな看板でした。

そのため、背面が「ガン吹き」と呼ばれる仕上げになっていて

文字を貼り付けることができなかったのです…。

よく、街中の家の壁で見かける

ザラザラ、つぶつぶした壁のことです。

 

まずは、このザラザラを平坦にする作業からスタート。

荒いヤスリで少しでもなだらかにした後で、

外壁材を左官屋さんが使うコテでなだらかにします。

なだらかにした後、看板の色となるベースを塗っていきます。

窓の茶色や、ドアの朱色と合うように

深みのある緑色を日本色図鑑の中からチョイス。

その後、模様を描くためにマスキングテープで養生していきます。

と同時に、最も重要な「ヒトヤ堂」の文字も塗装していきます。

この切り文字は、社長のお父さんがつくってくれました。

文字色が「茶色派」と「白派」に分かれたので、

まずは修正しやすい茶色でお試し。

背景の緑に溶け込みすぎた印象…。

店名を目立たせるためにも、白色に塗り直し決定。

模様も完成し、いよいよ文字を設置します。

文字を貼り付ける時に使ったのが、

「コンクリートボンド」。

コンクリートと木材などを接着するのに使用します。

硬化するまでの間に落ちてこないように、

超強力両面テープも仕込んでいます。

この日参加してくれたお手伝いさんと

一人ひと文字ずつ貼り付けていきます…。

 

いよいよお店が完成する、

そんな瞬間を長年夢見てたわけなのですが、

これが完成ではなくて

この後、喫茶店のメニューを確定したり、

宿のオペレーションを決めたり、

備品を揃えたり…。

信じらない量のやることが襲いかかっていて

この時は、純粋に感動できませんでした。

でも看板が完成し、みんなと手を叩いて喜んだ

あの瞬間を一年経っても鮮明に思い出せるのは、

それだけ印象的な一日だったんだな、と思います。

こうして、

たくさんの方の手を借りて

ヒトヤ堂がつくられ、そして始まりました。

 

2018年6月17日のことです。

 

 

 

 

 

 

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